デジタルマーケティングについて | 情シスのお仕事(2019年度改訂版)

デジタルマーケティングについて | 情シスのお仕事(2019年度改訂版)

対象とする読者

・他所の情シスがなにしているか気になっている情シス
・情シスへの転職に興味のある転職希望者(特にSE)
・情シスが何をしているかちょっと興味がある通りすがりの人
話の要点
・地方中小メーカーの情シスの担当業務を紹介します。
・Webを活用したデジタルマーケティングの話をします。
・サイト構築とかコンテンツ作成をしているわけではありません。
・方針や方向性、KPIの設定とトレース、数値採取と分析とかしています。
・MAとかシステム部分の保守とかもしてます。
・元々Web系ではないのですが、やっぱり中身も気になるのでこのサイトやってます。
・商用のデジタルマーケと個人ブログは違うけど似ているところもあります。




「情シスよもやま話」の書き始めたころにも「情シスの業務範囲」みたいな話をしているのですが、それからしばらく時間が経って、自身の関与している業務や立場等が変化してきたことや、今後目指すべき方向みたいなものが出てきたので改訂版を作ってみようと思います。

あくまで1企業の情シスの事例ですので全ての企業に適用されるものではありませんが、「こういう情シスもあるんだ」ということで参考にしていただけると幸いです。
守秘義務や身バレ防止のため明確にできない部分もありますが、なるべくリアルな現場の状況をお伝えしていけたらと思います。

改めて「情シスのお仕事」で取り上げる弊社情シスの業務範囲を貼っておきます。

1.デジタルシフトマネジメント(計画)
2.デジタルシフトマネジメント(業務改革)
3.デジタルマーケティング管理・保守(MA、Web等)
4.営業支援システム保守(SFA、CRM)
5.業務管理システム保守(ERP、PJ管理等)
6.バックオフィスシステム保守(人事給与、財務会計等)
7.コミュニケーションシステム保守(ファイル転送、チャットツール等)
8.社内業務システム保守(AD、グループウェア)
9.情報セキュリティ(個人情報管理、資産管理、ウイルス対策、教育等)
10.ソフトウェア管理(ライセンス、バージョンアップ等)
11.ハードウェア管理(パソコン、サーバ、スマデバ、ネットワーク機器等)
12.ネットワーク管理(無線、拠点内LAN、拠点間VPN、インターネット)
13.その他インフラ(電話/FAX、プリンタ、プロジェクタ、デジカメ等)
14.上記1~13についての問合せ対応

前回は流行りのDXの話をしましたが、今回も負けず劣らずキラキラ系のWebマーケのお話をしていきたいと思います。

↓↓前回のお話↓↓

ちなみにDXやWeb系が「キラキラしている」と思うのは、SIerでSEとしてバックオフィス系パッケージの導入をやっていた経歴からくる感覚的なものです。エンプラ界隈はヌルヌルしていました(※個人の感想です)。

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デジタルマーケティングについて

デジタルマーケティング管理

概要:開発者でも作成者でもなくマネージャー


デジタルマーケティングというと、自社ホームページ=オウンドメディアやSNS等を活用したり、メールアドレス等を紐付けて顧客行動をトレースするマーケティングオートメーション(MA)等がツールとして上げられます。

弊社情シスはホームページの構築やメンテナンスのような開発や、コンテンツ作成やSNSアカウントからの投稿、MAでのキャンペーンメールの配信や反応のあったユーザーの営業への通知等の直接的な活動は一切行っていません。

ホームページの構築・メンテナンスは外部業者が、コンテンツ作成やMA運用はマーケティング部隊がそれぞれ実施しています。マーケ部隊はデジタルだけではなく広告4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)も担当しており、その部分は情シスは基本ノータッチです。

それでは情シスは何をしているのかというと、WebページやMAの統計データの整理・分析やセキュリティ的な観点からのWeb施策への助言、MA等のシステム問合せとトラブルの切り分け・業者対応等です。
元々システム問い合わせくらいだけ分担していたのですが、ある時MAで作成したフォームをホームページに埋め込んでいたら、botでアタックを受けたという事象が発生しました。「CHAPCHAとか埋め込んでなかったの?」と思ったのですが、ホームページの管理業者とMAの提供元がどちらも「うちではできない」となったらしく、マーケティング部門から「両者からの説明の内容が理解できない」と泣きが入って情シスの出番となりました。それ以降Web系の施策は情シスが噛むようになったのです。
今では各種Web施策の数値的な報告資料を作るというおまけまで付いてきて、すっかりマーケのマネージャー(部活のマネージャー的な)みたいな感じです。

求められるスキル:「Web技術者」ではなく「Webコンサルタント」

求められるスキル:Web系の基本的な技術、デジタルマーケティングの基礎的な知識、好奇心と応用力

こうして書くとさも押し付けられたかのような感じもしますが、自ら入り込んでいった節もあります。ヌルヌルしてるエンプラ界隈の人にとってキラキラしたWebの世界が魅力的だったのもありますし、単純に言えば好奇心です。

技術者の端くれですからhtmlくらい書けますしCSSの構造も理解はしています。Webサーバの基本的な仕組みも一応はわかります。RubyとかPHPは未経験ですが、初学者向けのサイトとか見ながらMySQLのDBからデータ呼び出す検索画面をPHPで自力で作るところくらいまでやってみました(むしろMySQLでDBとテーブルとデータ作るのが楽しくてしょうがなかった)。WordPressの勉強も兼ねて本サイトを立ち上げたり、他に2本くらいいじって勉強する用のサイトを作ってみました。SEOの実践と効果測定のためにAnalyticsやSerchConsole、収益化の実践としてAdSenceにも取り組んでみました。不得手ながらSNSもやってみています。

技術的な学習は上記くらいです。業務において実際自分で構築作業をするわけではなくても、やはり仕組みやツールには興味がありますし、上記くらいの基礎的な知識も無しに企業のデジタルマーケティングに首を突っ込むのはかなり難しいと思います。個人ブログで収益を上げるのとは次元が異なりますが、基礎の部分は同じです。技術的基礎をどれだけ実践に還元できるかは、新たな学習もそうですが応用力の勝負になると思います。

私はWeb系エンジニアになろうと思っていたわけではありません。会社のデジタルマーケティングの舵取りを担いたくて、そのために必要と思われるWeb系の基本的な技術を身に着けるために学習をはじめました。

もちろん技術面だけではなくデジタルマーケティングの基礎的な知識も学習が必要です。できればデジタルだけではなく主要4媒体についても齧るくらいは知っておかないと、全てデジタルが最適解とは限らない場合がありますし、比較検討を行う場合もあります。
デジタルマーケティングが新たな媒体として注目されている一つの理由は広範囲な人に対して他媒体よりも低いコストで広告を打てるという点です。しかしターゲットやタイミングを誤ると大した効果が得られないのは他媒体と同じです。デジタルのもう一つの強みは数値化しやすい点で、施策の効果を明確にすることができます。テレビであれば視聴率、ラジオは聴取率、新聞・雑誌は発行部数などという数値がありますが、Webページであれば訪問ユーザー数やページビュー数、流入元の割合等の数値が取得できます。SNSであれば閲覧数や所謂「いいね」の数やフォロワー数、MAであればメール開封率やクリック率などがあり、これらの数値をユーザー自身が任意のタイミングで自由に取得することができます。

しかし数値が取れたところでこれを読めなければ活用することはできません。「各種Web施策の数値的な報告資料を作る」には数値を読む技術が必要になります。これまで弊社では社内でこれができるメンバーがおらず、外注先やコンサルの報告をそのまま受け取っていました。制作も結果分析も全ておまかせでは、自社として何を目指しているのかも曖昧になっていき、最終的には廃れていく危険性もあります。

前述のようにデジタルマーケティングは既存媒体と比較して長所も多く、既存媒体のユーザー減少(テレビ離れ、新聞離れ)も顕著であり、また労働人口減少によりマーケティングも営業活動も効率化や自動化が課題になってきています。デジタルが最適解とは限らない場合もあるとはいえ、デジタル媒体を利用しないという選択は困難になってくるでしょう。
その時にユーザー側に数値や効果を読み取ることができ、自社としての方向性を示すことができる人材が必ず必要になると考えます。自社の立場でジャッジができるWebコンサルタントのような立ち位置です。

方針が作れて効果が測れるのであれば、制作や運用自体をアウトソースしても手綱を渡すことはありません。もちろん完全な専門家ではないので外部の知見を頼ることがあるとしても、その情報を鵜呑みにせずに判断をする基準を持っておく必要があります。

上記のことから、ユーザー企業に求められるのはWeb開発者のスキルではなくWebコンサルタントのスキルであると考えるのです。

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所感:マーケがここまで考えていれば特に出番は無い

とまあ好き勝手言っているんですが、要約すると「自社にWeb関係に強い人がいなかったところに、知識は無いけど好奇心はある元SEが入って、数字を弄りながら夢を膨らませている」みたいな感じです。

マーケ部隊があるといっても元々専業部隊ではなく、各部門から人を集めているものの組織上の所属としては存在していない(だから「マーケ部門」ではなく「マーケ部隊」と呼んでいる)状態だったので、部門横断的な取り纏め役が必要だったという背景もありました。

マーケにきちんとした組織や体制があって方針立案や分析も自前でできるようであれば情シスの関与はあまり無い分野かもしれません。そういった体制が無かったこと、体制は無いけどデジタルマーケティングに取り組んでいたこと、そこに滑り込む余地があったことなどのいくつかの条件が重なって担当業務として取り組んでいます。

コーディング等のテクニカルなことはやっていませんが、ビジネスとマーケティングとテクノロジーを理解して組み合わせたダイナミズムにワクワクしています。

デジタルマーケティング関連の書籍紹介

技術のところは比較的自力で無理やり突破してみたのですが、さすがにマーケティングはズブの素人。Webで情報収集もしましたが、ある程度体系だった知識を得ようと思うと書籍も必要になってきます。

どれが正解ということは無いですが、何通りか読んでみてからWeb等での情報やコンサルの話などを取り入れつつ、取捨選択して自身の経験知に変えていく助けになると思います。


 

技術書というよりはストーリーのある読み物の中にマーケティングの要素を盛り込んだ一冊です。SEO、SNS活用、コンテンツマーケティングなどが一通り網羅されており、漫画も交えて読みやすい構成なので初学者にはうってつけではないかと思います。


 

商用・マネジメント視点でのデジタルマーケティングを学びはじめるのに適していると思います。TVCMやソフトウエア開発まで話が及んでおり、マーケティングそのものにこれから取り組む方にもお勧めできます。


 

スコープ定義からチーム編成、投資計画などの立ち上げからカスタマージャーニー、デジタル広告、ブランドセーフティなどデジタルマーケティングにおいて留意すべき事項を体系的に取り上げています。専門用語が多く、実務も含めてある程度経験をした上で読むことをお勧めします。

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