ハブって何してるの? | 今更聞けないネットワーク機器の基本知識(2)

ハブって何してるの? | 今更聞けないネットワーク機器の基本知識(2)

イントロダクション

前回のお話で、建屋の外の線がようやくオフィス内に入ってきました。
ここからはオフィス内の話になるのですが、前回の事例をそのまま引き継いで話してもネットワーク構成が単純であんまりおもしろくないので、シチュエーションは変わります。

前回の話の中で「同じ機械に色んな名前があるからネットワーク機器はわかりにくい」というお話をしました。今回のわからないポイントは「外見が大体一緒でごちゃっとまとめてあるからどれがどれかわからない」です。

シチュエーションは出先のオフィスです。人数は割と多くて、フロアも2フロアあります。
当然のように社内ネットワークに入りますからVPNルータもあります。何なら独自でサーバも立てています。そんなオフィスからのお問い合わせは、最初はネットワークとは全然関係のない話でした。

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ルーターとハブについて

ネットワーク機器にも電源がいります

「以前サーバ更新した時に旧サーバのUPSだけ撤去し損ねていた。改めて撤去しようと思ったらなんかのネットワーク機器のコンセントが1個だけ刺さっている。抜いても大丈夫か。」

「大丈夫くないのでちょっと待ってください。」

「なんかのネットワーク機器」で大丈夫かどうかなんか判断できるか!と思うものの、理解できなくもないです。LANポートがいっぱいあって、LEDがピコピコ光っている四角い箱=「なんかのネットワーク機器」。それがONUなのかルーターなのかハブなのかファイアーウォールなのかPoEインジェクターなのかDSUなのかVoIPゲートウェイなのかなど一般人が判別するのは至難の業です。

大きな事務所なので、過去の資産に一応ネットワーク図があり、それを見ながらやればわかるかと思って現地に行って見ました。

ということで、手持ちのネットワーク図と現地の状況(イメージ)をご覧ください。

ぼんやりしたネットワーク図はいらない

まあ、期待はしていませんでしたけどね。こんなプレゼン用みたいなネットワーク図じゃ正しい状況なんか把握できませんよね。
というか本当にプレゼン用だったようで、既にオフィス内のネットワークは無線LAN化が完了しているので、PCの有線接続の絵自体更新されていない状態でした。ネットワーク構成を最新化するドキュメントではなかったのでしょう。

結局機器に記載されている機種名や型番等で検索して、1台ずつ「君はONU」「君はルーター」「君はハブ」と役割を明らかにしていきました。

その結果、古いUPSから電源を取っていたのはハブであることがわかりました。

リピータハブとスイッチングハブ

ハブというとネットワーク機器の中ではわりと馴染みのあるほうのものではないでしょうか。有線LANを利用しているオフィスであれば、島(机の集合)毎に8ポートくらいのハブがあって、幹線のLANから分岐させていたりします。
自宅であってもONUから出た線を一回ハブに取り込んで、各通信機器(無線LANルーター、パソコン、テレビやレコーダ等)に分配したりしています。
こうした用途で使われるハブはリピータハブと呼ばれる機器です。俗称「バカハブ」というやつです。ハブにはリピータハブとスイッチングハブの2種類があります。

リピータハブは接続先の要求に対して、相手がどこにいるか知らないので接続された全ての機械にリクエストを送信します。接続される機械が少ないネットワークであればそこまで問題はないのですが、オフィスなど機械が多くネットワーク構成が複雑にな場合、ハブが全ての機械にリクエストを送信していてはネットワークの効率が悪化してしまいます。
そこで登場するのがスイッチングハブです。スイッチングハブはリクエストを受けると、リクエスト内容から送信先のMACアドレス(=ネットワーク機器が持っている固有のアドレス)で送信先を特定してリクエストを送信します。

MACアドレスは「LANポート毎に割り当てられたアドレス情報」と思ってください。
「IPアドレスと何が違うの?」というと、物凄くざっくり言うと以下のようになります。

・MACアドレスは基本的に固有、IPアドレスは変更可能。
・MACアドレスで通信する場合、次の機械のMACアドレスで通信。IPアドレスで通信する場合は、最終的に接続したい機械のIPアドレスで通信。

ちなみにパソコンのMACアドレスはネットワークカード(NIC)毎に割り当てられているので、有線のLANポートのMACアドレスと無線LANのMACアドレスは異なります。
MACアドレスとIPアドレスで通信方法の差をイメージにしてみました。

こうした通信を行うためにスイッチングハブ(L2スイッチ)にはMACアドレステーブルという場所に接続先のMACアドレスの情報を保持しています。

何事もなかったように「L2スイッチ」という別の単語が出てきましたが、スイッチングハブとL2スイッチは同じようで若干役割が異なる、例の「役割によって同じ機械に色んな名前がある」パターンのやつなので、これについては別の機会に説明していきたいと思います。

必ず生きていると思うなLANケーブル

ハブが何者か説明した上で話を現場に戻します。古いUPSから電源を取っていたハブ(スイッチングハブ)にはLANケーブルがいっぱい刺さっていました。ただしLANポート毎にあるLEDはほとんど光っていません。
ハブのポート毎のLEDは通信が確立すると光ります。LANケーブルが刺さっていても、反対側が接続されていなかったり、機械が起動していないとLEDは光りません。

結論から言えば、このハブに刺さっているLANケーブルのほとんどは既に使用されていませんでした。
無線LAN化にあたって新たに配線を這わした際に、有線接続をしていた時のLANケーブルを抜くことなくそのまま残してあったのですが、各島のハブは既に撤去されていて接続先の無い状態になっていました。

LANケーブルを付け替えたからといって、古いLANケーブルが抜かれるかというと必ずしもそうではありません。
LANケーブルが通してある管路が狭く複数のケーブルを束ねて通している場合、その中の1本だけを引っこ抜くことが難しいことがあります。古いLANケーブルはそのまま残され、末端のコネクタだけ切り落としたりして接続できなくしたりという対応がとられていることも珍しくありません。
切り落としてくれているのはまだ親切な方で、「有事の際に」とかいう理由で全てそのままにしてあることもあります。しかしメンテナンスしていないので、実際に接続させると既に断線していて使えない、ただのゴミでしかないLANケーブルが、特に何の目印も無くその辺から顔を出しているなんてこともあるのです。

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あとがき

「大丈夫くない」と言ったものの、結果的には「大丈夫」だったので、ハブを外してUPSを撤去することにしました。

ご存知の方はわかると思いますが、UPSは重いです。とても、重いです。
そこまで大きくないものでも、見た目に反して凶悪に重いです。

UPSを動かす際は、腰がおかしくならないように注意して、できるだけ複数名で作業するようにしましょう…。

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