セキュリティ、システム環境・エコから見たGSuite | 非機能要件で見るGSuite(4)

セキュリティ、システム環境・エコから見たGSuite | 非機能要件で見るGSuite(4)

前回のおさらい

非機能要件を切り口にGSuiteのメリット/デメリットを考えてみる話の4回目です。
前回は非機能要件から移行性の面でデメリットを検討してみました。

以下3点をデメリットとして取り上げました。

・懇切丁寧なマニュアルは無いので、展開スピードは利用者のITスキルに依存する。
・システム管理者での一括データ移行は困難。各利用者でやってもらう必要がある。
・「他のアカウントでメールを確認」の受信にタイムラグがある。

今回は残る非機能要件のセキュリティ、システム環境・エコの観点からメリット/デメリットを検討してみます。

ちなみにGSuiteの機能的な話やTipsと、非機能要件についての話はこちらにまとめています。

GSuiteのメリット/デメリット:4回目

今回は以下の表の背景色が黄色の部分のお話です。

表1:GSuiteの非機能要件から見たメリット/デメリット

メリット デメリット
可用性 ・365日24時間提供のクラウドサービスであり、停止の心配はほぼ無い。
・サポートが365日24時間実施される。
・機能単位でのトラブル(停止ではない)が時折発生するが、復旧目途がわからない。
性能・拡張性 ・ネットワーク速度以外の理由で性能が低下することはほぼ無い。利用者の増減による性能変動を考慮する必要が無い。
・ユーザー数の増減に対してアカウント数をフレキシブルに調整できる。
・性能面に関する拡張は不要だが、利用者数の増加=アカウントの追加が必要。アカウント数が増えるほどランニングコストは増加する。
移行性 ・ドメインさえあればフルサービスが揃った状態でサービスが開始できるので、導入・立上げが非常に速い。
・他のメールからGmailにメールを移行したり、ドキュメントをGoogleドライブに移すことは可能。
・既存メールサービスと並行してGmailでメールを送受信させることもできる(「他のアカウントでメールを確認」)ができるので、移行期間を設けることができる。
・Google関連サービスに関するある程度の知識があれば立上げはスムーズだが、懇切丁寧なマニュアルは無いので知らない人には一から理解してもらわなければいけない。
・システム管理者での一括でのデータ移行はできない。個々の利用者にて移行を行う必要がある。
・「他のアカウントでメールを確認」は元のメールサービスに対して定期的な問合せをかけるため、受信にタイムラグが生じる場合がある。
セキュリティ ・Gmailのセキュリティレベルが高い。
・通常使われているデバイス以外からのログインの検知や二段階認証等により外部からの侵入に対しては高いセキュリティを持っている。
・IP制限やデバイス制限ができず(モバイルを除く)、内部統制には他のサービスの併用が必要。
システム環境・エコ ・災害等に対しては複数サイトでの管理により十分な継続性が確保されている。 ・インターネットを経由したサービスなので、データセンターや企業側以外の災害(ネットワーク等)により使えなくなる場合はある。

GSuiteのセキュリティ

メリット:Gmailのセキュリティレベルが高い

セキュリティレベル、と書きましたが、所謂迷惑メールに対する対策です。
レベルが高すぎて必要なメールまで迷惑メールに分類された、なんてことも発生していますが、解除方法もちゃんとあります。

メールセキュリティの課題の一つであるウイルスメール、スパムメールの検知には非常に有効で、標的型攻撃メールに対しても効果を発揮します。

メリット:ログイン認証のセキュリティが高い

Googleログインには2段階認証を設定することができ、不正ログインに対して高いセキュリティが提供されています。

通常のID、パスワードによるログインだけではなく、スマートフォンSMSや音声通話での確認コード送信、USBセキュリティキーによる認証を行うことができます。
また受け取り用の電話番号も複数設定できるため、万一登録された携帯番号が変更になる場合でも継続して利用することができます。

また「信頼できるデバイス」を登録しておくことで、普段利用しているパソコン以外からのログインがあった際に通知が送られてきます。スマートフォンを登録しておけば、スマートフォンにログイン許可のプロンプトが表示されます。

デメリット:IP制限やデバイス制限ができない(モバイルを除く)

以前お話した内容と重複しますが、外部からの不正ログイン等に対しては高いセキュリティを誇るのに対して、GSuite単独では内部からの情報漏えい対策が不十分です。

「信頼できるデバイス」を利用したとしても、利用者が許可してしまえば外部デバイスからアクセスすることは可能です。

ただし外部サービスを利用したシングルサインオン等を併用することでこのデメリットは解消することができます。

GSuiteのシステム環境・エコ

メリット:災害等に対しては十分な継続性が確保されている

デメリット:データセンターやユーザー側以外の理由で使えなくなる場合がある

これらはGSuiteに限らずBCP対策としてのクラウドサービス利用全般で言えることです。
事業所所在地やデータセンターで災害が発生した場合も、他のサイトにもデータがあるため継続してサービスを利用することができます。

その一方でインターネットを含めたネットワーク経路上の不具合等に対してはボトルネックの切り分けのためのポイントが多いことがデメリットになります。
モバイル利用が継続できていればこの点は解消できるかもしれません。

中締め

セキュリティやBCPについてはだいぶあっさりまとめましたが、これはGSuiteのみに適用されることではなく、Googleサービス全般とほぼ同じメリット/デメリットになります。

逆に言えば無料で使えるGoogleサービスでもこれだけのセキュリティ対策が提供されているということです。

今回のシリーズは情シスあるいは経営層の判断としてGSuite導入の是非を図る上でのメリット/デメリットのお話になります。個別機能については、以前の記事をご参考いただくとともに、実際にGSuiteを利用してみてはいかがでしょうか。

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GSuiteをはじめるための手順と準備するもの(前編) | GSuiteを使い始める前に(10)
GSuiteをはじめるための手順と準備するもの(前編) | GSuiteを使い始める前に(11)

あわせてご活用ください。

その他GoogleWorkspaceの機能や活用のためのGoogleアプリのTips記事などを纏めています。
GoogleWorkspaceを使っていない方も、GmailやGoogleドライブの便利な使い方なども紹介していますので寄って行って見てください。

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