本サイトでこれまで幾度となくご紹介してきましたGSuiteが迷惑なことに「GoogleWorkspace」に名称を変更しました。変わったのが名前だけではないようなので、現状わかっている範囲で違いを比較していきたいと思います。
ちなみに万が一「GSuiteって何?スイート?甘いの?食べれるの?」という方がいらした場合はこちらの記事をご参照ください。
GSuiteとGoogleWorkspaceの違い
提供サービス体系が違う
まずGSuiteにおいて、主に提供されていたエディションとGoogleWorkspaceのエディションを比較します。
値段だけを元に比較すると「Business Plus」が新たに追加され、「GSuiteEnterprise」が非定額性の「大規模ビジネス」に変わったように見えます。それでは中身はどう変わったか見ていきましょう。尚、「GSuiteEnterprise」と「大規模ビジネス」は情報不足のため本記事では説明を割愛させていただきます。
GSuiteBasicとBusinesStarter
値段が同じGSuiteBasicとBusinesStarterですが、提供サービスもほぼ同じです。違うところだけを抽出すると以下のようになります。
GoogleMeetで録画されたファイルをGoogleドライブに保存できません。(※実はもともとGSuite Enterprise以上でしか実装されていなかった機能でしたが、コロナ禍の影響でGSuite全エディションに解放されていました。つまり本当はGSuiteBasicでもできません。)
つまりGSuiteBasicとBusiness Starterは全く一緒と言っていいと思います。
ちなみに万が一「GoogleMeetって何?会うの?会えるの?出会い系?」とかいう方がいらした場合はこちらの記事をご参照ください(くどい)。
GSuiteBusinessとBusiness Standard
今回の本題はほぼここかと思います。GSuiteBusinessとBusiness Standardも料金は全く同じです。しかし重要な機能で大きな変化がありました。
GSuiteBusinessでは5ユーザー以上で使用するとGoogleドライブのマイフォルダが容量無制限なのですが、Business StandardのGoogleドライブ容量は1ユーザーあたり2TBになりました。 これは結構打撃になる方が多いのではないでしょうか。
GmailのメールログやGoogleドライブのファイル操作ログ等を管理できる「GoogleVault」がこのエディションでは利用できなくなりました。ビジネス利用においてメールログ管理は内部統制上重要な機能になります。Googleドライブ容量のほうが注目されていますが、情シス的にはこっちも結構な打撃です。
GoogleMeetで録画されたファイルはGoogleドライブに保存できます。もともとGSuite Enterprise以上でしか実装されていなかった機能なのでこの部分は廉価版でも標準機能になったという意味では機能拡充と言っていいのではないかと思います。
GoogleMeetについては近日さらに機能強化される(アンケート機能、挙手機能、ブレイクアウトセッション)ようですが、何は無くともGoogleドライブの容量制限でしょう。容量無制限のGoogleドライブのためだけににGSuiteBusinessを契約した方もいらっしゃるくらいです。
それでもOffice365のOneDrive(1TB)と比べて2倍ですから、決して小さい容量ではありません。というかこれまでの「容量無制限」が大盤振る舞いすぎただけな気もしますが、やはりこれまで利用できていたものができなくなるということは大きな打撃になります。
またビジネス利用においてVaultが利用できなくなったのも結構なインパクトがあります。メールログが取れないと日常業務には影響はありませんが、問題が発生した場合に調査する術がなくなります。
ちなみに「GoogleVaultって(以下略)
Business StandardとBusiness Plus
Business PlusはBusiness Standardと以下の部分のみが違います。
- Googleドライブの容量が1ユーザーあたり5TB。
- GoogleVaultが利用可能。e-Discovery(電子証拠開示制度)対応。
- GoogleMeetで同時接続人数が250名。出欠状況の確認(近日公開予定)が利用可能。
Googleドライブは5TBまでですがVaultが使えるようになるので、実質的に現在のGSuiteBusinessの機能を有しているのはBusiness Plusの方であると言えるのではないかと思います。
ということは現時点のGSuite→GoogleWorkspaceの違いは、Googleドライブの容量制限を付けた上でGSuiteBusinessを680円値上げしたということになってしまいます。
Business StandardもBusiness Plusも共有ドライブ(個人に紐付くマイドライブとは違い、ドメイン内ユーザーで共有領域として使えるドライブ)が使えるので、そっちを使えば容量問題は回避できるんじゃないかとも思いましたが、現時点で私のアカウントはまだ「GSutie Business」と表示されGoogleドライブ容量無制限のままなので共有ドライブの容量がどうなるか正直まだわかりません。
さすがにこのままでは終わらないですよね、Googleさん
これだけでは名称変更の名を借りた「改悪」の誹りは免れないでしょうが、上記でもいくつか出てきたGoogleMeetの機能強化など、今後コミュニケーションツールを中心にさらなる改善を図ることをGoogleも明言しているようです。
繰り返しになりますが、GSuiteはこれまで破格の安さでサービスを提供してきたとも言えます。
コロナ禍の中で個々のツールが専業他社に後れを取ってしまったことで、浮き彫りになった課題に対する打ち手が必要になってきたと考えることもできます。
GSuiteがGoogleWorkspaceになることで真の発展を遂げていくのか、恒例の墓場送りになることになるのか、楽しみに見ていきたいと思います。
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