Windows10の大型アップデートの基礎知識 | Windows10 2018年4月大型アップデート情報
WindowsUpdateでユーザープロファイルが壊れた(?) | Windows10 2018年4月大型アップデート情報
前回のおさらい
前回はWindows10の大型アップデートによってユーザープロファイルが壊れて復旧した話をしました。
予告では今回はWindowsUpdateを自動適用しないための方法としていましたが、画面ハードコピー等の準備不十分のため今回は別の障害の話にします。
タイムリーな話題だったこともあり前回、前々回とアクセス数が多かったので、期待されている方がいらしたら申し訳ありません。
現象その2:エクスプローラーからNASに繋がらない
現象
タイトルの通りです。
Update適用前まで行えていたNASとの接続が行えなくなります。
ただし全てのNASが駄目なわけではありませんでした。
原因
アップデートの結果、SMB1.0/CIFSがデフォルトで無効になったことが原因でした。
SMB1.0/CIFSは簡単に言うとWindowsのファイル共有プロトコルです。
SMBがWindows同士の場合、CIFSがWindows以外のプラットフォームとの共有の場合のプロトコルです。
※現在の解釈ではSMB1.0=CIFSだそうですが、わかりやすくするためにあえて古い解釈で説明しています。詳しくは「SMB1.0/CIFS」で調べてみてください。
これまでデフォルトではSMB1.0/CIFSファイル共有サポートは有効だったのですが、今回のアップデートでデフォルトでは使用できなくなりました。
対処する:SMB1.0/CIFSファイル共有サポートを有効にする
これについては意外と簡単に解消できました。
まずコントロールパネルを開いて、「プログラム」を選択します。
次に「プログラムと機能」にある「Winodwsの機能の有効化または無効化」を選択します。
表示されたダイアログの「SMB 1.0/CIFS ファイル共有のサポート」配下にある「SMB 1.0/CIFS クライアント」にチェックを入れて「OK」とします。
最後にパソコンを再起動したらNASに接続できるようになりました。
教訓
SMB1.0サポート終了への布石
SMB1.0はWindowsXP及びWindowsServer2003R2以前のプロトコルであり、Windows8.1からは推奨されなくなったプロトコルでした。
それでも旧環境との互換性を持たせるために現在に至るまで継続してサポートしてきたのですが、Microsoftとしてもいずれはサポートを終了するつもりで、Windows8.1及びWindows Server 2012 R2からはオプションとしてSMB1.0を削除することができるようになっていました。
今回のアップデートは「もういい加減SMB1.0が必要なファイル共有なんかしてないだろ?」というMicrosoftからのメッセージだったかもしれません。
以前のWindows10のセキュリティアップデートでリモートデスクトップが繋がらなくなったことがありましたが、これも近いものがあり、相手先のサーバのアップデートもきちんと行われていれば発生しない現象でした。
確かにサーバについては今更2003R2などという骨董品は無いと決めつけられても仕方ないのですが、問題はNASです。
Windowsクライアントと通信をするためにNASもファイル共有プロトコルとしてSMBをサポートしているのですが、SMB1.0で通信しているものもあり、今回接続できなくなったものはまさにそれでした。
野良NASが放置されている
「ファームウェアのアップデートしていなかったんなら、お前=情シスのせいだろ」というところなのですが、このNAS今回連絡を受けるまで私も認識していませんでした。
離れた事業所内でローカルLANの中に設置されているNASがあったのです。
NASなので固定IPが振ってあるのですが、同事務所にはローカルでサーバも置いてあって、アドレスからだけだとNASと判断できていませんでした。
となると今度は「資産管理が杜撰」との誹りをいただくことになるかと思いますが、甘んじて受けるしかないかと思います。
遠隔地の事務所については回りきれておらず、前任者の資料と各部署の管理を頼りにやるしかなかったのですが、改めて全事業所1回は回っておかなければいけないなと痛感しました。
というわけで今回はWindowsUpdateを契機に1台野良NASを捕獲できました。
ちなみに古いNASでなくても、設定によってSMB1.0でファイル共有しているNASもあるので注意が必要です。
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