ハングアウト?Duo?Allo?Meet?Chat?Googleコミュニケーションツールの怪と解 | GoogleTips

イントロダクション

以前紹介した「Googleハングアウトをデスクトップ通知する」という記事のアクセス数が非常に多くありがたいのですが、反面「そんなにハングアウト使いたい人が多いのかな?」と思ってしまっています。

ハングアウトは便利です。
でもそんなに(特に日本で)使われているとは感じていません。
特に個人利用で見かけることはほとんどありません。
個人利用のチャットツールの場合、デバイスはほぼモバイルで、モバイルのチャットツールはLINEに席巻されている状況です。
LINEの初版がリリースされたのが2011年6月、ハングアウトの初版は2013年5月で後発だからというだけが理由でしょうか。

ハングアウトが普及しなかった本当の理由、それはGoogleのコミュニケーションツールの迷走でしょう。

ここで言うコミュニケーションツールにはテキストチャット、ビデオチャット、SNSなどを指しますが、Googleが現在提供しているコミュニケーションツールはサービス終了が通知されたGoogle+も含めると全部で6つもあります(RCSのAndroidメッセージは除く)。
既にサービス終了したものも含めるとなんと12個もあったのです。
(※認識していないものもあるかもしれないので、誤っていたらご指摘いただけると幸いです)

Googleのコミュニケーションツールの怪

黎明期:Orkut、GoogleTalk

上記図表の最も上部、2000年代中盤からコミュニケーションツールの歴史が始まります。
最初期のOrkutは最盛期(2010年)のユーザー数が全世界で1億人もいたSNSです。
(ただしその多くはブラジルとインドのユーザー)
GoogleTalkはインスタントメッセンジャーで、Gmailの画面からもメッセージが使えました。

SNS混迷期:Google Buzz、Google Wave、Google+

2010年代前半、立て続けにSNSサービスがリリースされます。
Google BuzzはTwitterによく似たSNSでしたがGoogle+の登場で統合されます。
Google WaveはWebベースのリアルタイム共同編集ができるWikiのような要素あるコラボレーションツールでしたが、利用者がさっぱり伸びずに一般公開からわずか3ヶ月で開発中止が発表されました。

Google+は先日個人利用向けのサービスを2019年8月に終了することが発表されました。ビジネス向け(GSuite)の提供は継続するそうです。

2010年はFacebookのアクティブユーザー数が5億人を突破、アクセス数がGoogleを抜くなど注目を集めていた時期だけに、Googleとしても対抗策を求めていたようですが、闇雲にサービスリリースを繰り返したようにも見えます。

チャットツール乱立期:ハングアウト以降

2013年、Google+のチャット機能としてハングアウトがリリースされます。
その後2015年には単独サービスとして切り離されますが、ここからGoogleAllo、GoogleDuoの発表、GoogleSpacesの発表及び即撃沈、GSuite向けのHangotusMeetとHangoutsChatなどビデオチャットとテキストチャットが分離した形でチャットツールが乱立します。
※さらにHangoutsMeetは2020年4月よりGoogleMeetに名称変更しました。

これだけ次々にサービスが開始されては消えていけば、何を使えばいいかわからなくなるのも当然ではないでしょうか。

Googleコミュニケーションツールの解

現存ツールの住み分け


現在で提供されているチャットツールはビデオチャット2つ、テキストチャット2つ、ビデオ+テキストチャット1つの計5つがあります。

大きく分けると個人利用向けのGoogleAlloとGoogleDuo、ビジネス利用限定のHangoutsChatとHangoutsMeetがそれぞれ対を成すテキストチャットとビデオチャットであり、その中間にこれらの派生元であるハングアウトがいる、という感じです。

それぞれの特徴を簡単に紹介します。

GoogleAllo:Googleアシスタントが利用できるテキストチャット

個人利用向けのテキストチャットがGoogleAlloです。
GoogleサービスなのにGoogleアカウントを必要とせず、電話番号で利用可能です。

最大の特徴はAIであるGoogleアシスタントを利用できることでしょう。
いわゆる「OK、Google」ってやつです。
Smart Replyという返信案を自動で提案してくれる機能などもAIが利用されており、非常に高度なサービス…なのですが、2018年に開発投資の中止が発表されており、今後の拡張は見込めない状態です。

これは前述のAndroidメッセージのようなRCSへの注力のためとされており、もしかしたらAlloも過去のサービスたちと同様に消えてしまう可能性もあります。

※2019/12/10追記
GoogleAlloは2019年3月にサポートを終了することが発表されました。
後継サービスである「Androidメッセージ」を含めた紹介記事はこちらです。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({});イントロダクション以前「ハングアウト?Duo?Allo?Meet?Chat?Googleのコミュニケーションツールの怪と解」という記事でGoogleのコミュニケーションツール群についての説明をさせていただきましたが、その中で「Alloは新規開発も終了しており、いずれサービスが終了するかもしれない」とお話していましたが、2019年3月でのAlloのサービス終了が正式に発表されました。さらにハングアウトも2020年中のサービス終了が発表されました。それぞれ代替ツールとして、AlloはAndroid向けRS...
Google Alloが2019年3月でサービス終了!代替ツール「Androidメッセージ」とは? |... - jyosys-hack.info

あと面白い機能に一定時間経過後に自動的にメッセージを削除する「シークレットモード」があります。
LINEのようにアカウント流出による情報漏えいの心配が軽減されるので、センテンススプリングに怯える心配もありません。

Google Duo:対FaceTime用決戦兵器

個人利用向けのビデオチャットがGoogleDuoです。
Allo同様Googleアカウント不要、電話番号で利用できます。

最大の特徴はなんといってもシンプルなUIです。
接続するために小難しい操作を必要とせず、簡単にビデオチャットが楽しめます。
複雑な機能を持たないため、グループチャットはありません。

iOSのビデオチャットであるFaceTimeに対抗したものと見ることができるでしょう。
通話開始前に相手の映像が確認できるノックノック機能なども特徴です。

HangoutsChat:Slackに対抗したい(願望)

GSuiteユーザー向けのテキストチャットがHangoutsChatです。
名前の通りハングアウトの派生で、ハングアウトのメッセージをそのまま引き継げます。
ハングアウト同様PC、モバイルどちらからでも使用できます。

チャットルーム機能やbotの提供などがこれまでのハングアウトとの大きな違いです。
ビジネスチャットの一大勢力になっているSlackに対抗するような機能拡張とも見て取れます。

※2019/12/10追記
Googleハングアウトは2020年にサポートを終了し、HangoutsChatが一般利用できるようになることが発表されました。

HangoutsMeet:Chromebox for Meetはいかがですか?

GSuiteユーザー向けのビデオチャットがHangoutsMeetです。
GSuiteのGoogleカレンダーでテレビ会議予約するとHangoutsMeetを使うことになります。

会議の参加、招待方法が多様なこともありますが、なんといっても「Chromebox for Meet」による大人数の会議室でのテレビ会議が可能になった点が最大の特徴でしょう。
通信品質にもよりますが映像や音声の品質がすこぶる良く、相手の会議室の後方のホワイトボードやカレンダーの文字まで見えるくらい鮮明な映像で、視覚的な情報量が増えることでコミュニケーションがより円滑になります。

※2019/12/10追記
Googleハングアウトは2020年にサポートを終了し、HangoutsMeetが一般利用できるようになることが発表されました。

Googleハングアウト:GSuiteを使わない場合のビジネスチャット?

こうなると立ち位置がよくわからなくなるハングアウトですが、唯一ビデオチャットとテキストチャットを1ツールから行うことができます。

Android端末であればほぼデフォルトでプリインストールされていますし、AlloやDuoがモバイルアプリのみであるのに対してこちらはPCからも利用できます。

GSuiteは有料サービスですが、通常のハングアウトであれば無料で利用できるのが最大の利点です。
GSuiteを利用しない場合のビジネスチャットと捉えることも可能ですが、個人利用でもAlloやDuoの機能では不十分な場合に重宝します。

※2019/12/10追記
Googleハングアウトは2020年にサポートを終了することが発表されました。

あとがき

あまりにサービスが乱立しているので、どれを使っていいかよくわからなくなっているGoogleのコミュニケーションツールですが、大きくは個人利用かビジネス利用か、モバイルのみの利用かPCも含めた複数プラットフォームでの利用か、が住み分けのポイントでしょう。

ちなみに私はAlloもDuoも使ったことはありません。
ビジネス利用はHangoutsChatとHangoutsMeetですし、個人利用はGoogleハングアウトを…そこまで使っていません。

使い勝手がどうというのではなく、周りにAndroidユーザーが少ないし、iPhoneの人にわざわざハングアウトを入れてもらう前に既にLINEが入っているのでそちらでのやりとりになってしまいます。
またPCでのチャット利用は友人と生活時間帯が合わないので長いことやっていません…。

ハングアウトはHangoutsChatとHangoutsMeetに移行していってしまい、過去のサービスたちと同様に退場していってしまうのでしょうか?
iPhoneのシェアが異常に高い日本だから使われていないだけなのでしょうか?

ハングアウトの今後にも注目していきたいと思います。


GSuite、Googleアプリ関係のまとめです。ハングアウトやコミュニケーションツール関連の他の記事もあるので是非見ていってください。

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